寝返りを打つたびに肩の生地が突っ張る、夏の夜は背中に生地が張りつくといった悩みは、パジャマの素材と織り方を変えると軽くなることがあります。
パジャマ選びでは暖かさに目が行きがちですが、寝心地は生地がどれだけ伸びるかと、寝ている間にかく汗を、生地が吸って外へ逃がせるかで大きく変わります。
夏は汗を吸って乾きやすい素材、冬は暖かさと汗の吸いやすさを両立する素材、寝返りが多いなら伸びる生地を選ぶのが基本です。
今のパジャマで、何が気になっているか
気になっていることによって、見るべき素材の性質が変わります。
- 汗ばむ・蒸れる:汗を吸う力と、生地の通気
- 寒い・肩が冷える:生地の厚みや起毛と、袖や丈の長さ
- 肌ざわりがチクチクする・かゆい:繊維の細さ、縫い目、タグ
- 寝返りで突っ張る:生地の伸び方と、肩や膝のゆとり

困りごとが2つあるなら、一晩中続くほうを先に解決できる素材を選びます。
汗で目が覚めるなら汗、寒くて寝つけないなら暖かさ、という順番です。
汗をかいているかどうかは、朝起きてすぐ、背中と首まわりの生地を手で触ってみると分かります。
しっとり湿っているなら、寒がりの人でも、汗を吸う素材を先に考えたほうが寝心地は変わりやすくなります。
綿:織り方と編み方で、合う季節が変わる
綿は汗を吸いやすく、肌ざわりもやわらかいため、パジャマでよく使われる素材です。
同じ綿でも、糸の織り方・編み方で、暑い季節向きにも寒い季節向きにもなります。
平らに織った生地(ブロード・ローンなど)
シャツのような、表面がなめらかで薄い生地です。
さらっとした肌ざわりで、春から秋、汗ばむ季節に合います。
伸びはほとんどないので、寝返りで肩や膝が突っ張らないよう、サイズにゆとりのあるものを選びます。
ガーゼ(二重・三重ガーゼ)
目の粗いやわらかな布を2枚、3枚と重ねた生地で、布と布の間に空気の層ができます。

汗を吸いながら、空気が通りやすいので、夏は二重、冬は三重や裏起毛のものと、重ねる枚数で季節を選べます。
空気を含んでふんわりした生地は、使い始めより、使ううちにやわらかく感じることもあります。
ニット(天竺・スムースなど)
Tシャツのように糸を編んだ生地で、よく伸びるのが特徴です。
寝返りが多い人や、腕を上げて寝る人でも突っ張りにくく、通年使えます。
フランネル(起毛した綿)
表面をけば立たせた、やわらかく暖かい生地です。
起毛の間に空気をため込むため、綿の汗の吸いやすさを残したまま暖かいのが、冬のパジャマで選ばれる理由です。
寒がりの人でも、汗をかきやすいならフリースよりフランネルのほうが、明け方の蒸れを感じにくくなります。
ウールとシルク:汗をよく吸う天然の繊維
ウール(羊毛)は、繊維そのものが湿気を吸う力が大きく、汗を吸っても冷たく感じにくい素材です。
冬に暖かさと汗の両方が気になる人に合いますが、太い繊維の生地は肌にチクチク当たることがあります。
チクチクが気になるなら、細い繊維のウールや、肌に触れる側が綿になった生地を選びます。
店で選べるなら、生地を手首の内側や首すじに当ててみると、手のひらで触るより、寝ているときの肌ざわりに近い感じ方が分かります。

シルク(絹)は、軽くてなめらかで、汗を吸って放つ力も大きい素材です。
薄手のものは夏、厚手のものは冬に使われ、肌に触れる刺激を減らしたい人の候補になります。
フリースとポリエステル:軽く暖かいが、汗を吸う力は小さい
フリースはポリエステルを起毛させた生地で、軽くて暖かく、乾きやすい素材です。
一方、ポリエステルは繊維が水分をほとんど吸わないため、かいた汗が生地の中にとどまらず、肌と生地の間に残って蒸れやすい性質があります。
冷え込む部屋で、ほとんど汗をかかない人なら、フリースの暖かさを生かせます。
空気が乾く冬は、ポリエステルの生地どうしや、ポリエステルと毛布がこすれて静電気が起きやすく、寝返りのたびにパチッとくることもあります。
フリースを選ぶなら、肌に触れる1枚目を綿にして、フリースは上に重ねる側に回すと、汗の蒸れと静電気の両方を減らせます。
パジャマではなく、Tシャツとジャージで寝てもいい?
寝られないわけではありませんが、ジャージの多くはポリエステルが主で、汗を吸う力は小さめです。
ウエストの太いゴムや、厚い縫い目、ポケットのファスナーが、寝返りのたびに体に当たることもあります。
上は綿のTシャツのまま、下だけでも綿のパジャマのズボンに替えると、腰まわりの蒸れと当たりは変わります。
夜中の暑さや寝汗が、パジャマ以外の寝具から来ていないかは、「夜中に暑くて目が覚める・寝汗がつらいときの寝具の見直し、掛けすぎから敷きパッドまで」の記事で、症状ごとに見直す寝具を分けています。
素材と季節の対応を一覧にする
| 素材 | 合う季節 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 綿の平織り | 春〜秋 | 伸びにくい |
| ガーゼ | 通年 | 枚数で選ぶ |
| 綿ニット | 通年 | 伸びて形が崩れる |
| フランネル | 秋〜冬 | 毛羽が出る |
| 麻(リネン) | 夏 | しわになりやすい |
| ウール | 冬 | チクチクする |
| シルク | 通年 | 摩擦に弱い |
| フリース | 冬 | 汗で蒸れる |
麻(リネン)は、表面にシャリっとした手ざわりがあり、汗を吸ってすばやく乾くので、蒸し暑い夏の夜に向く素材です。
2つの素材を混ぜた生地は、両方の性質の中間になり、たとえば綿とポリエステルの混紡は、綿だけの生地よりしわになりにくく、乾きやすくなります。
品質表示の「組成」の欄には素材ごとの割合が書かれているので、汗を吸う素材がどれくらい入っているかの見当をつけられます。
たとえば「綿60%・ポリエステル40%」なら、汗を吸う力は綿100%より控えめで、そのぶん乾きやすくしわになりにくい生地、と読めます。
汗をかきやすい人は、汗を吸う綿・麻・ウール・シルクの割合が大きいものを選ぶと、生地の性質が寝心地に出やすくなります。
季節ごとの組み合わせと、冬の着重ね
上下を同じ素材でそろえる必要はありません。
暑がりの人は上を薄く、冷えやすい人は足元を厚くする、と分けるだけで、季節の変わり目の寝心地は調整できます。
冬に重ねるならこの順番
肌に触れる1枚目は、汗を吸う綿やウール
パジャマはフランネルや三重ガーゼ
肩や背中が布団から出るなら、袖のないスリーパーをパジャマの上に重ねる
冬にやりがちな着すぎ
フリースのパジャマの下に、さらにポリエステルの肌着を着る
厚手の靴下をはいたまま、足元に暖房の寝具も重ねる
寝入るときの寒さに合わせて、何枚も着込んだまま布団に入る
スリーパーは、パジャマの上から着る袖のない寝具で、寝返りで掛け布団がずれても肩と背中が出にくいのが利点です。

スリーパーの素材も、パジャマと同じ見方で選べます。
ガーゼや綿の起毛、ウールのものは汗を吸いやすく、ボアやフリースのものは軽くて暖かい反面、フリースのパジャマに重ねると、汗の逃げ場がさらに少なくなります。
パジャマとスリーパーのどちらか一方は、汗を吸う素材にしておくのが、冬の重ね方の目安です。
冬の布団の寒さを、どこが冷えるかで分けて対策する考え方は、「冬の布団が寒いときの対策の選び分け、電気毛布・布団乾燥機・湯たんぽ・敷きパッドを困りごとから決める」の記事でまとめています。
夏用・春秋用・冬用を、何枚ずつそろえるか
季節ごとにパジャマを替えるなら、1つの季節に2組あると、1組を洗っている間も同じ素材で寝られます。
全部を一度にそろえる必要はなく、今の季節の困りごとに合う1組から始めて、次の季節が近づいたら足していけば十分です。
- 夏:綿の平織りか二重ガーゼ、麻。半袖や七分丈で、汗ばむ首まわりと脇に生地がまとわりつかない形
- 春・秋:二重ガーゼか綿ニットの長袖。朝晩の気温差が大きい時期は、上に1枚羽織れるものを枕元に置く
- 冬:フランネル、三重ガーゼ、ウール。暖かさが足りないときは、パジャマを厚くするより重ね方で調整する
通年で1組だけ持つなら、二重ガーゼか綿ニットの長袖が、袖をまくる、上に重ねる、で季節の幅に合わせやすい選び方です。
ルームウェアと兼用するなら
ルームウェアは、起きて過ごす時間を前提にした服で、ポケットやフード、厚めの生地など、寝ている間には邪魔になる作りが付いていることがあります。
寝るときにも着るなら、フードやファスナー、大きなボタンが背中や首の後ろに来ない形を選ぶと、寝転んだときに当たりません。
一日中着たままの服は昼間の汗も吸っているので、寝る前にパジャマに着替えるだけでも、布団に入ったときのべたつきは変わります。
素材の次に見る、形とサイズ
- 肩と膝のゆとり:寝転んで腕を上げたり膝を曲げたりしたとき、生地が突っ張らないか
- ウエストのゴム:朝、おなかにゴムの跡が残るなら、ゴムを替えられるものか、ひもで調整できるものに
- 前開きか、かぶりか:前開きは着替えやすく、かぶるものはボタンがないぶん、横向きやうつぶせでも胸に当たる物がない
- 丈:上着の裾が短いと、寝返りで背中が出やすい
サイズは、身長だけでなく商品ページの身幅(胸の部分の横幅)も見ると、寝転んだときのゆとりの見当がつきます。
今持っている、寝返りで突っ張らない服を平らに置いて身幅を測り、その数字と比べると、通販でもサイズを外しにくくなります。
肌が敏感な人は
肌が荒れやすい、かゆみが出やすい場合は、品質表示の組成を確かめ、気になるときは皮膚科医に相談してください。
縫い目やタグが当たるのが気になるなら、縫い目が外側にある作りや、タグが印刷になっているものもあります。
パジャマは、眠っている間ずっと肌に触れている1枚です。
素材を決めるときは、手ざわりより先に、寝返りのときの突っ張りと、明け方の汗と冷えを思い出してください。



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