仰向けなら首のすき間を埋める低めの枕、横向きなら肩の幅の分だけ高い枕、うつぶせならごく薄い枕。
寝姿勢ごとの答えは短く言えますが、実際には一晩のうちに姿勢が何度も変わるので、枕の形と置き方、抱き枕の使い方まで含めて考えたほうが、寝姿勢が変わっても枕の合う・合わないを見分けやすくなります。
いちばん長く続けている姿勢の場面から読んでください。
首や肩の痛みが続く、手や腕がしびれる、頭痛を伴うといったときは、枕を替える前に医療機関に相談してください。
場面1:仰向けで寝る時間が長い
仰向けの枕の役目は、首の後ろのすき間を下から支え、頭が後ろに倒れないようにすることです。
頭だけを支える平らな枕だと、首の下が浮いて、頭の重みが後頭部の一点にかかります。
形で選ぶなら、首が当たる手前側が少し盛り上がり、頭がのる中央が少しくぼんだ形が、首と頭を分けて支えやすい作りです。

置き方は、枕の手前の端を首の付け根に当てるのが目安で、肩までのせると頭が持ち上がりすぎます。
仰向けで寝ていても、寝入りや明け方に横を向く人は多いので、枕の両端が中央より少し高い作りだと、横を向いた瞬間に頭が落ち込みにくくなります。
反対に、中央が高く盛り上がった枕は、仰向けの首のすき間には合っていても、頭が前に押し出されてあごが引けすぎることがあるので、横から見た形も商品ページで見ておきます。
腰が反りやすい人は、膝の下に丸めたタオルやクッションを入れて膝を軽く曲げると、腰が反りすぎない姿勢を試せます。
膝の下や膝の間にクッションを入れる寝方は、「朝起きると腰が痛いときのマットレスの見直し方、寝方・硬さ・へたりの順に確かめる」の記事でも、寝方の見直しとして取り上げています。
仰向けで寝ると家族からいびきを指摘される人は、枕の高さや寝る向きとの関係を「いびきと寝具のQ&A、枕・寝る向き・マットレスで変わるのか、受診を考える目安」の記事で扱っています。
場面2:横向きで寝る時間が長い
横向きでは、敷き寝具から頭までの間に肩の幅の分の段差ができます。
枕が低いと頭が下に傾いて下の肩が圧迫され、高すぎると首が上に折れて、上の首すじが突っ張ります。
「横向きで寝ると、朝、下になっていた肩が重い」
この場合は、枕の高さが足りていないか、マットレスが硬くて肩が沈んでいないかのどちらかが関わっていることがあり、枕だけ高くしても肩の圧迫が残ることがあります。
横向きの枕は、両端が中央より高い形や、全体に高めで硬めのものが合いやすくなります。
目安として、首の付け根から肩先までが13cmある人なら、肩が沈む分を引いても、頭をのせたあとで9〜10cm前後の高さが要ることが多く、薄い枕では足りません。
置き方は、肩を枕にのせず、枕の手前の端に肩先を軽く当てるくらいの位置です。
下になった腕は、体の前に軽く出すか、枕の下に入れずに胸の前で曲げておくと、体の重みが腕にのり続ける形を避けられます。
上になった腕と脚は、そのままだと前に倒れて体がねじれるので、抱き枕や長めのクッションで支えると、ねじれにくい姿勢を試せます。

横向きの時間が長いほど、枕の高さは肩幅に合わせることを優先し、仰向けのときの高さは枕の中央の低い部分で受けます。
場面3:うつぶせでないと寝つけない
うつぶせは、顔を横に向けて寝るため、首を大きくひねった姿勢が続きやすい寝方です。
高い枕を使うと、ひねった首がさらに反った形になるので、枕はごく薄いものか、なしで寝る人も少なくありません。

うつぶせ寝で枕を選ぶときの目安
・高さは、数cm程度の薄いものか、頭がほとんど持ち上がらない柔らかいもの
・顔が当たる中央がへこんだ、うつぶせ用の形の枕もある
・胸の下に薄いクッションを入れると、首のひねりと腰の反りを抑えやすい姿勢を試せる
顔をいつも同じ側に向けて寝ていると、首を同じ方向にひねった姿勢が毎晩続きます。
朝、首の片側だけが張る感じがあるなら、顔を向ける側を日によって変えると、ひねる向きが片寄りにくくなります。
柔らかいマットレスの上でうつぶせになると、お腹が沈んで腰が反りやすくなるため、枕と一緒にマットレスの沈み方も見ておきます。
うつぶせで寝つく人でも、寝入ったあとに横向きに変わることがあるので、横向きになったときに頭がのる高さも確保しておくと、夜中の姿勢の変化に対応しやすくなります。
場面4:寝返りが多く、姿勢が決まらない
寝返りが多い人は、仰向けと横向きを一晩に何度も行き来しています。
この場合の枕は、高さそのものより、どこに頭が転がっても支えられる幅と形が大事になります。
- 幅は60cm以上を目安にし、寝返りで頭が枕から落ちにくくする
- 中央が低め、両端が高めの形にして、仰向けと横向きの両方の高さを1つの枕で受ける
- 沈み込みの少ない素材にして、頭を動かすときに沈みから抜け出す力を要らなくする
敷布団やシングルのベッドで寝ている場合、幅の広い枕を置くと寝床の横幅がいっぱいになることがあります。
シングルの寝床の幅は約97〜100cmなので、70cmの枕を置くと、左右に残るのは15cmほどです。
寝床の幅と枕の幅を数字で並べてから、どこまで広い枕を置けるかを決めると、置いてから窮屈になる失敗を防げます。
場面5:2人で寝ていて、寝姿勢が違う
同じ寝床で2人が寝ていると、片方は仰向け、もう片方は横向き、ということがよくあります。
この場合、枕は1人1つずつ、それぞれの寝姿勢に合わせて別のものを選ぶのが基本です。

大きな1つの枕を2人で使うと、片方が頭を動かすたびにもう片方の頭の位置まで動き、高さも1人分にしか合わせられません。
ダブルの寝床の幅は約140cmなので、標準的な63cm幅の枕を2つ並べると、合わせて126cmで収まります。
横向きの人だけ幅の広い枕にしたいときは、寝床の幅から相手の枕の幅を引いた残りで、置ける幅を決めます。
4つの寝姿勢と、枕に求めること
| 寝姿勢 | 枕の形 | 一緒に使う物 |
|---|---|---|
| 仰向け | 手前が盛り上がる | 膝下のクッション |
| 横向き | 両端が高い | 抱き枕 |
| うつぶせ | ごく薄い | 胸の下のクッション |
| 寝返りが多い | 幅60cm以上 | 寝床の幅の確認 |
どの寝姿勢でも、枕は頭だけでなく首の付け根まで支える位置に置くことが共通しています。
姿勢ごとに一緒に使う物まで含めてそろえると、腕・脚・腰の置き場所まで考えやすくなります。
場面6:抱き枕・ボディピローを使う
抱き枕は、横向きで寝るときに、上になった腕と脚の重みを受け止める寝具です。
仰向け中心の人には必須ではなく、横向きの時間が長い人ほど使いどころが増えます。
抱き枕が役に立つ場面
横向きで寝ると、上の脚が前に倒れて腰がねじれる
上の腕の置き場がなく、肩が前に巻き込まれる
横向きのまま、寝返りで仰向けやうつぶせに戻ってしまう
膝と膝が当たって、骨が当たる感じがする
こうした場面では、抱き枕を胸の前に抱え、膝から足首の間にもはさむと、上の腕と脚の高さをそろえた姿勢をとれます。
なくてもよい場面
仰向けで寝る時間がほとんどで、横向きになるのは寝入りだけ
寝床の幅に余裕がなく、抱き枕を置くと寝返りの場所がなくなる
この場合は、抱き枕を買うより、横向きになったときだけクッションやたたんだ毛布を膝の間にはさむほうが、寝床を広く使えます。
形と長さの選び方
抱き枕の形は、まっすぐな棒状(I字)、脚に絡めやすいL字、体を囲むU字などに分かれます。
I字は長さ100〜120cm前後あると、胸の前から膝の下まで1本で届きやすくなります。
U字は体の前後を両方支えられる一方で、寝床の幅を大きく使うので、シングルの寝床では寝返りの場所が狭くなります。

硬さは、抱えたときに腕が沈み込みすぎず、膝にはさんでつぶれきらない程度の弾力があるものが、腕と脚の高さを保ちやすくなります。
中身は、わたのものはふんわり柔らかく、ビーズ(細かい粒)のものは体の形に合わせて形が変わります。
ビーズは動かすとサラサラと音がすることがあるので、枕の音が気になる人は、わたの中身のものを選ぶと静かです。
カバーを外せるかどうかは、毎晩体に触れる寝具なので、選ぶときに一緒に見ておきます。




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