「ストレートネックと言われたけれど、枕は高いほうがいいの?低いほうがいいの?」
答えは人によって違い、店で売られている枕の高さ表示から決めるより、家のバスタオルで自分の高さを先に出すほうが、買ってからの失敗が少なくなります。
タオル1〜3枚と、ひと晩ずつの試し寝で、自分の数字にたどり着く手順を順番に並べます。
首や肩の痛みが何日も続く、手や腕にしびれがある、指先に力が入りにくい、頭痛やめまいを伴う、といったときは、枕を試す前に整形外科などの医療機関を受診してください。
枕は寝ている間の姿勢を支える寝具で、首の状態そのものを変えるものではありません。
ストレートネックと枕の関係を、先に整理しておく
首の骨は、横から見ると前にゆるやかなカーブを描いているのが一般的です。
このカーブが少なく、まっすぐに近い状態を指して「ストレートネック」という言葉が使われます。
枕との関係で知っておきたいのは、首のカーブが少ない人は、仰向けで寝たときの首の後ろのすき間が浅くなりやすいという点です。
すき間が浅いのに高い枕を使うと、頭だけが持ち上がり、あごが胸に近づく形になります。
反対に、枕がまったくないと頭が後ろに倒れ、首が反った形で一晩過ごすことになります。
「首のカーブが少ないから、高い枕で首を持ち上げればいい」と考えない
枕で首の形が変わるわけではありません。
高すぎる枕は、のどが詰まる感じや、首の後ろの突っ張りにつながりやすくなります。
目指すのは、首のカーブを作ることではなく、寝ている間に首がどちらにも折れず、力を抜いていられる高さを見つけることです。
準備:用意する物と、試す場所
試すのは、ふだん寝ている寝床の上です。
床やソファで試すと、体の沈み方が違うため、決めた高さが寝床では合わなくなります。
用意する物
・バスタオル2〜3枚(厚手と薄手が混ざっているとなお便利)
・フェイスタオル1枚(首の下に丸めて使う)
・メジャーか定規
・スマホ(横からの写真を撮る。
家族に頼めるならそのほうが楽)
・書き留めるメモ

バスタオルは、横に二つ折り、さらに縦に二つ折りくらいの大きさにすると、頭と首の両方がのる幅になります。
畳んだバスタオル1枚の厚みは、タオルの厚さによっておよそ1〜2cmで、1枚足すたびに高さがそのくらいずつ変わります。
今使っている枕は、高さの比較用にそばに置いておきます。
手順:仰向けの高さから決める
仰向けで高さを決め、横向きで合っているかを見る順に進めます。
一度に全部決めようとせず、1回の調整は1段(タオル1枚分)までにすると、どこで変わったかが分かります。
いつもの枕を外し、畳んだバスタオルを1枚だけ敷いて、仰向けになります。
肩はタオルにのせず、首の付け根がタオルの手前の端に触れる位置に頭を置きます。
首の後ろとタオルの間にすき間があるときは、フェイスタオルを細く丸めて首の下に入れます。
首が下から軽く支えられて、力を抜いても頭がぐらつかなければ、すき間は埋まっています。
家族に横から写真を撮ってもらい、額から鼻先、あごまでの線を見ます。
あごが上がって天井を見上げる形ならタオルを1枚足し、あごが胸に近づいてのどが詰まるなら1枚減らします。
その高さで3分ほど目を閉じ、のどの通りと、肩の力の抜け方に注意を向けてください。
息がしやすく、肩がマットレスに沈んでいく感じがあれば、仰向けの高さはそこで仮決めです。
仮決めの高さのまま横向きになり、鼻すじとあご、胸の真ん中が寝床とほぼ平行かを見ます。
頭が下に傾くなら、横向きの位置にだけタオルを1枚足します。
頭をのせたまま、タオルの沈んだ状態の高さを、メジャーで寝床からタオルの上面まで測ります。
仰向けと横向きの2つの数字を、タオルの枚数と一緒にメモしておきます。

仰向けと横向きで高さが2cm以上違うときは、枕の中央と両端で高さが違う作りの枕を探す手がかりになります。
タオルで試すときに起こりやすい3つのずれ
手順どおりに進めても、タオルならではのずれで、数字が定まらないことがあります。
タオルを重ねるほど、高さが崩れる
3枚以上重ねると、タオル同士が滑って、寝ている間に高さが少しずつ下がっていきます。
重ねる枚数が増えたら、いちばん下を厚手のタオルにして、上に薄手を重ねると崩れにくくなります。
それでも崩れるなら、重ねたタオルを大きめの枕カバーに入れてしまうと、ひとかたまりで扱えます。
寝返りで、頭がタオルから外れる
畳んだバスタオルの幅は、40〜60cmくらいしかありません。
寝返りが多い人は、横を向いたときに頭がタオルの外に落ち、朝には枕なしで寝ていることがあります。
試す期間だけ、タオルの左右にクッションを置いて、頭が落ちる先を作っておくと、記録が取りやすくなります。
首の下の丸めたタオルが、硬く感じる
首の下のすき間を埋めるタオルは、きつく巻きすぎると首の後ろに当たって、かえって気になります。
指で押して軽くへこむくらいの巻き方にし、太さはすき間を埋める分だけにとどめます。
3晩試して、数字を確かめる
3分の試し寝で決めた高さは、ひと晩寝るとずれていることがあります。
同じタオルの組み合わせで3晩続けて寝て、朝の首の様子を短く書いておきます。
| 夜 | 仰向けの高さ | 朝の首 |
|---|---|---|
| 1晩目 | 4cm(タオル2枚) | 突っ張らない |
| 2晩目 | 4cm(タオル2枚) | 変わらない |
| 3晩目 | 3cm(1枚+丸め) | 少し反る |
朝の様子が同じ高さで続けて楽なら、その数字が枕を選ぶときの基準になります。
朝の首が反った感じや、詰まった感じがあれば、タオルを1段だけ動かして、また3晩試します。
タオルは寝ている間にずれやすいので、朝起きたら頭がタオルから落ちていた、という夜は記録から外して数え直します。
決めた高さを、枕に置き換える
タオルで出した数字は、頭をのせて沈んだあとの高さです。
商品ページの高さ表示は頭をのせる前の数字なので、表示どおりの高さの枕を買うと、頭をのせたときには低くなります。

置き換えるときは、次の3つを見ます。
- 高さを変えられるか:シートの抜き差しや中身の出し入れで、1cm前後ずつ調整できる作りだと、タオルで出した数字に寄せやすい
- 沈み方:柔らかい素材ほど頭をのせたときの沈みが大きく、表示より低く感じる
- 中央と両端の高さ:仰向けと横向きで高さが違った人は、両端が高い形を選ぶ
タオルで出した数字に、素材の沈みの分を足した高さ表示の枕から試すと、置き換えたときのずれが小さくなります。
たとえばタオルで仰向け4cmと出て、頭をのせると2cmほど沈む素材なら、高さ表示6cm前後が出発点です。
ほとんど沈まない硬めの素材なら、表示4〜5cmの枕から当たりをつけます。
素材ごとの沈み方や高さの調整のしやすさは、「低反発・高反発・そば殻・パイプ・羽根・ラテックス、枕の素材はどれを選ぶか」の記事で表にしています。
店で枕を試せる場合は、メモした2つの数字とタオルの枚数を持っていき、店の寝台で仰向けと横向きをそれぞれ数分ずつ試します。
店の寝台は家の寝床より硬いことも柔らかいこともあるので、店で合った高さが、家の寝床でもそのまま合うとは限りません。
高さを調整できる枕なら、家に持ち帰ってからタオルで出した数字に合わせ直せるので、店と家の差を埋めやすくなります。
買った枕が届いたら、最初の1週間はタオルを捨てずに取っておき、合わないときに枕の上に1枚重ねたり、下に敷いたりして微調整に使います。
やめどき:タオルの調整を止める目安
タオルで高さを探すのは、あくまで寝ている間の姿勢を整えるための手順です。
次のような場合は、高さ探しを続けるより、いったん止めたほうがよい段階です。
- 2週間ほど調整を続けても、朝の首の痛みが変わらない
- 高さを変えるたびに、むしろ痛みやこわばりが強くなる
- 寝ている間だけでなく、日中もずっと首が痛い
- 手のしびれや頭痛が出てきた
こうした状態は、枕の高さとは別のところに原因がある可能性があるため、整形外科などの医療機関で相談してください。
受診のときに、試した高さとタオルの枚数のメモを持っていくと、寝ているときの姿勢を伝える材料になります。
高さが決まって朝の首が楽な日が続いているなら、その数字を、次に枕を買い替えるときにも使える自分の基準として残しておけます。


コメント