同じ高さ8cmの枕でも、仰向けで寝る人には高すぎ、横向きで寝る人にはちょうどいい、ということが起こります。
枕が合うかどうかは、枕そのものの数字より、寝る姿勢と体の幅、下に敷いている寝具との組み合わせで決まるからです。
自分の寝姿勢の行を探すところから始めてください。
寝姿勢と体型から引く、枕の早見表
いちばん長く続けている寝姿勢の行を選び、体型の列で高さを少し上下させます。
| 寝姿勢 | 高さ | 硬さ | 合いやすい素材 |
|---|---|---|---|
| 仰向けが多い | 低め〜中 | 中くらい | 低反発・羽根・わた |
| 横向きが多い | 高め | 硬め | 高反発・パイプ・ラテックス |
| うつぶせが多い | かなり低め | 柔らかめ | 羽根・薄いわた |
| 寝返りが多い | 中(左右は高め) | 中〜硬め | 高反発・パイプ |
| 体型・寝具 | 高さの動かし方 |
|---|---|
| 肩幅が広い・がっしり型 | 1段高めに |
| 小柄・なで肩 | 1段低めに |
| 柔らかいマットレス | 体が沈む分、低めに |
| 床に敷布団1枚 | 沈まない分、高めに |

「低め」「高め」の基準は、仰向けで寝たときの首のすき間と、横向きで寝たときの肩幅の半分が基準になっていて、cmの数字は人によって変わります。
寝姿勢が日によって変わる人は、朝起きたときの姿勢を3日ほど見ておくと、どの行が自分に近いかが分かります。
まず寝姿勢で行を決め、体型と敷き寝具で1段ずらす、この2回の調整で候補の高さはほぼ絞れます。
高さ:表の「低め」「高め」を自分の数字にする
高さは、枕選びの3つの要素の中でいちばん合う・合わないが出やすいところです。
売られている枕の高さ表示は、頭をのせていない状態の数字なので、頭の重みで沈んだあとの高さで考えます。
仰向けは、首の後ろのすき間を埋める高さ
壁にかかとと背中、お尻をつけてまっすぐ立ち、後頭部と首の後ろのいちばんくぼんだところの、壁からの距離を家族に測ってもらいます。

この差が、仰向けで寝たときに枕が埋めたい首のすき間の深さの目安です。
すき間の深さは人によって数cmの差があり、猫背気味の人ほど深くなる傾向があります。
たとえば首のすき間が3cmで、頭をのせると枕が2cmほど沈むなら、頭をのせる前の高さで5cm前後の枕が出発点になります。
柔らかいマットレスで背中も沈む場合は、その分だけ低めに寄せます。
仰向けで寝たときに額から鼻先、あごまでのラインが、ほぼ水平か、わずかにあごが引けるくらいなら、高さは合っています。
あごが上がって天井を見上げる形なら低すぎ、あごが胸に近づいてのどが詰まる感じがあれば高すぎのサインです。
横向きは、肩先から首の付け根までの差
横向きでは、敷き寝具から頭までの間に肩の幅の分の段差ができ、枕はこの段差を埋める役目になります。
首の付け根から肩先までの長さを測り、そこから肩が敷き寝具に沈む分を引いたものが、横向き用の高さの目安です。

横向きで高さが合っていると、鼻すじとあご、胸の真ん中が、敷き寝具とほぼ平行に並びます。
頭が下に傾いて下の肩が圧迫されるなら低すぎ、首が上に折れて上の首すじが突っ張るなら高すぎです。
首のカーブが少ないと言われたことがある人
首の骨の自然なカーブが少ない状態は「ストレートネック」と呼ばれることがあり、仰向けの首のすき間が浅くなりやすいため、高い枕では首が持ち上がりすぎることがあります。
バスタオルで高さを試しながら決めるやり方は、「ストレートネックの人の枕選び、高さをバスタオルで試しながら決める手順」の記事に順番どおりまとめています。
素材:頭の沈み方と、高さの変えやすさで選ぶ
素材は、早見表の「合いやすい素材」の列から入り、そのあと頭の沈み方と、高さを自分で変えられるかで2つまでに絞ります。
素材は、大きく3つの性格に分かれます。
形が変わる素材(低反発ウレタン、羽根、わた)は、頭の形に沿って沈み、仰向けで首を包む感触になります。
粒で高さを変えられる素材(パイプ、そば殻)は、中身を出し入れして、自分の数字に合わせやすい作りです。
押し返す素材(高反発ウレタン、ラテックス、ファイバー)は、沈み込みが少なく、横向きや寝返りでも高さが保たれやすくなります。
寝返りが多い人や、仰向けと横向きを行き来する人は、左右が少し高く、中央が低い形の枕を選ぶと、どちらの向きでも高さが極端に変わりにくくなります。
季節で選ぶなら、低反発ウレタンは頭に密着する分だけ熱がこもりやすく、パイプやそば殻、ファイバーは中に空気が通りやすい素材です。
汗をかきやすい人は、頭の蒸れやすさも素材を絞る手がかりになります。
自分の高さの数字がまだ固まっていないうちは、中身の量やシートの枚数で高さを変えられる枕を選んでおくと、買ってからの微調整ができます。
6つの素材の感触・音・季節ごとの違いを表で並べたものは、「低反発・高反発・そば殻・パイプ・羽根・ラテックス、枕の素材はどれを選ぶか」の記事にあります。
硬さ:沈む量が、夜中の高さを変える
硬さは、頭をのせた直後と、数時間後の高さの差として効いてきます。
柔らかい枕は頭が深く沈むため、のせた瞬間はちょうどよくても、寝ているうちに低くなっていくことがあります。

反対に硬すぎる枕は、頭の丸みに沿わず、後頭部の一点で頭を支える形になり、寝返りのたびに頭の位置がずれやすくなります。
| こんな朝なら | 硬さの見直し |
|---|---|
| 枕が頭の形にへこんだまま | 柔らかすぎ |
| 後頭部が当たって痛い | 硬すぎ |
| 夜中に枕を折って高くしている | 柔らかすぎ |
| 寝返りで頭が枕から落ちる | 硬すぎ・幅が狭い |
硬さの好みには個人差が大きいので、高さが合ったうえで、頭の沈み方が気にならない硬さを選ぶ、という順番にすると迷いにくくなります。
なお、枕の大きさは43×63cmがよく見かける標準的なサイズで、寝返りが多い人は幅が60cm以上あるものだと、頭が端から外れにくくなります。
早見表を使った、3人の選び方の例
同じ早見表でも、体型と下の寝具が違うと、たどり着く枕はかなり変わります。
ここでは、よくある3つの組み合わせで、どの行から入り、どこで1段ずらすかを並べてみます。
小柄で仰向けが多く、ベッドのマットレスは柔らかめ
仰向けの行から入るので、高さは低め〜中が出発点です。
小柄でなで肩なので1段低め、さらに柔らかいマットレスで体が沈む分、もう少し低めに寄せます。
素材は、首のすき間を包むように沈む低反発や羽根が候補になり、高さを数mm単位で下げられるシート入りの枕だと、低めへの寄せ方を自分で決められます。

肩幅が広く横向きが多い、床に敷布団1枚
横向きの行なので、高さは高めが出発点です。
肩幅が広いので1段高め、床に敷布団1枚で肩がほとんど沈まないので、さらに高めに寄せます。
首の付け根から肩先までが15cmある人なら、13〜14cm前後まで必要になることもあり、市販の枕の高さ表示だけでは足りない場合があります。
中身を足して高くできるパイプや、硬めの高反発で厚みのあるものが候補で、頭をのせても高さが沈みにくいことを優先します。
仰向けと横向きを行き来し、寝返りが多い
寝返りの行なので、中央は中くらい、左右は高めの形が出発点です。
仰向けで頭をのせる中央と、横を向いたときに頭がくる両端で、高さが変わる作りの枕を探します。
幅は60cm以上を目安にすると、寝返りを打っても頭が枕の上に残りやすくなります。
2つの姿勢の高さが大きく違うときは、どちらに合わせる?
朝起きたときに多い姿勢のほうに合わせ、もう一方は枕の端の高い部分で受けるのが現実的です。
横向きの時間が長い人ほど、横向き側の高さを優先したほうが、肩の圧迫を避けやすくなります。
早見表どおりに選んでも合わないとき
早見表は寝姿勢ごとの出発点なので、選んだ枕がしっくりこないこともあります。
そのとき見直したいのは、枕の置き方と、下の寝具です。
- 枕に頭だけをのせていて、首の下が浮いていないか(首の付け根まで枕の手前の端を寄せる)
- 肩まで枕にのせていないか(肩がのると、頭が持ち上がりすぎる)
- マットレスがへたって、肩や腰の位置が沈んでいないか(沈んだ分、枕が高く感じる)
- 枕カバーや下に敷いたタオルで、高さが変わっていないか
置き方を直しても合わないときは、早見表の隣の行の高さを試します。
高さを調整できる枕なら、シートや中身を1段ずつ動かして、3晩ほど同じ高さで寝てから次の段に進むと、違いが分かりやすくなります。
首や肩の痛みが何日も続く、手や腕にしびれがある、頭痛を伴うといったときは、枕を替え続けるより先に、整形外科などの医療機関に相談してください。



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