10年近く使ってきた羽毛布団が、今年はなんだかぺたんとして、肩口から冷えが入ってきます。
新しく買うか、打ち直すかを考え始めると、「ダウン90%」「440dp」「立体キルト」「超長綿」といった言葉の意味が急に気になってきます。
どれも羽毛布団の温かさや軽さに関わる言葉で、意味が分かると、値段の差がどこから来ているのかが見えてきます。
見る順番は、品質表示ラベルの「詰め物」の欄 → dp(またはFP) → 充填量とサイズの3段です。
冬に1枚で使うなら、ダウン率90%前後・400dp前後を目安の出発点にすると、比べる候補を絞りやすくなります。
中に何がどれだけ入っているかは、品質表示(組成の表示)に書かれています。
まず表示を読み、そのうえで商品ページの説明を見る順番にすると、言葉に振り回されにくくなります。
中身の言葉:ダウン、フェザー、ダウン率
ダウンとフェザー
ダウンは、水鳥の胸のあたりに生える、羽軸のない綿毛のような羽毛です。

フェザーは羽軸のある羽根で、弾力はありますが、ダウンほど空気をため込みません。
ダウンの割合が高いほど、軽くて空気をたくさん含み、温かさを保ちやすくなります。
フェザーが少し入っていると、布団にほどよい張りが出て、体にまとわりつきすぎない良さもあります。
ダウン率と「羽毛布団」「羽根布団」
ダウン率は、詰め物のうちダウンが何%かを示す数字です。
品質表示では「ダウン90% フェザー10%」のように、ダウンとそれ以外の羽毛の割合で書かれます。
ダウンが50%以上のものを「羽毛布団」、フェザーが50%を超えるものを「羽根布団」と呼び分けます。
冬用の本掛けとして売られている羽毛布団は、ダウン90%以上の表示が多く見られます。
冬に1枚で使う本掛けを探しているなら、ダウン率の高いものから見ていくと、軽さと温かさを両立しやすくなります。
グースとダック
グースはガチョウ、ダックはアヒルの羽毛です。
グースのほうがダウンの一つひとつが大きいとされますが、同じグースやダックでも、育った環境や処理の仕方で品質は変わります。
産地や鳥の種類の名前だけで良し悪しを決めず、ダウン率とかさ高の数字を合わせて見るのが確実です。
ふくらみの言葉:ダウンパワーとフィルパワー
ダウンパワー(dp)とフィルパワー(FP)は、羽毛がどれだけふくらむか(かさ高性)を示す数字です。

数字が大きいほど、少ない量でも大きくふくらみ、空気をため込めます。
dpとFPは測り方と単位が違うので、同じ数字が書かれていても、そのまま比べることはできません。
国内で作られた羽毛布団はdp、海外の基準に合わせたものはFPで表示されていることが多いです。
候補を比べるときは、dpどうし、FPどうしで並べるようにします。
dpとダウン率の目安を、使う季節で分ける
dpは、国内で売られている羽毛布団では300dp台から見られ、400dp以上になると冬用の中でもふくらみの大きい部類に入ります。
440dp以上は、上位の価格帯の製品に多い数字です。
用途ごとの目安は、次のように考えると候補を絞りやすくなります。
| 用途 | ダウン率の目安 | dpの目安 |
|---|---|---|
| 冬の本掛け | 90%前後 | 400dp前後から |
| 合掛け | 80〜90% | 350dp前後から |
| 肌掛け | 70〜85% | 重さを優先 |
表の数字は、比べ始めるときの出発点としての目安です。
本掛けを1枚で使い、寝室が冷え込むなら、400dp以上で探し、予算に余裕があれば440dp以上も候補に入れるという順で見ていくと迷いにくくなります。
肌掛けは詰める量がもともと少ないので、dpの数字の差よりも、0.2〜0.4kgほどの軽さと、側生地の肌ざわりのほうが使い心地を左右します。
dpが同じでも、ダウン率が低ければ温かさは変わるので、2つの数字は必ず並べて見ます。
外側の言葉:側生地とキルト
側生地
側生地は、羽毛を包んでいる布のことです。
綿100%のものと、ポリエステルを混ぜたものが多く、綿は肌ざわりと湿気を逃がす性質、ポリエステル混は軽さと扱いやすさが持ち味です。
「超長綿」は繊維の長い綿のことで、細い糸で織るとしなやかで軽い生地になります。
「60番手」「80番手」のような番手は糸の太さを表し、数字が大きいほど細い糸です。
細い糸で織った軽い生地は、羽毛のふくらみをじゃましにくいため、上位の価格帯の羽毛布団によく使われています。
羽毛が生地から飛び出さないよう、目を詰めて織ったり加工したりした生地を使っているかも、表示や説明で見ておきます。
キルト
キルトは、羽毛が片寄らないように生地を区切る縫い方です。

| キルトの種類 | つくり | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 平縫い | 表と裏を直接縫う | 薄い肌掛け |
| 立体キルト | 布の仕切りで区切る | 冬の本掛け |
| 二層キルト | 上下2層に分ける | 寒い部屋の本掛け |
平縫いは縫い目の部分に羽毛が入らないため、そこから熱が逃げやすくなります。
冬に1枚で使う本掛けなら、縫い目の部分でも厚みを保てる立体キルトが向いています。
二層キルトは上下の層で縫い目の位置をずらし、熱の逃げ道を減らすつくりで、そのぶん重さが出ることもあります。
厚さの言葉:充填量と、サイズ・使う季節
充填量は、中に詰めた羽毛の重さです。

同じ本掛けでも、布団が大きくなるほど詰める量は増えます。
| サイズ | 大きさ | 本掛けの充填量 |
|---|---|---|
| シングルロング | 150×210cm | 1.0〜1.3kg |
| セミダブルロング | 170×210cm | 1.2〜1.6kg |
| ダブルロング | 190×210cm | 1.4〜1.8kg |
充填量は製品によって幅があり、表の数字は本掛けでよく見かける範囲の目安です。
同じサイズのまま季節で使い分けるなら、シングルの合掛けは0.7kg前後、肌掛けは0.2〜0.4kgほどの製品が見られます。
| 種類 | 使う時期 | 重ね方の例 |
|---|---|---|
| 本掛け | 真冬 | 1枚で使う |
| 合掛け | 春・秋 | 真冬は毛布と重ねる |
| 肌掛け | 初夏・初秋 | 冬は本掛けと重ねる |
ただし、充填量が多いほど温かいとは限りません。
ダウン率やdpが低い羽毛をたくさん詰めると、温かさよりも重さが目立つことがあります。
dpの高い羽毛は少ない量でふくらむので、同じ温かさでも充填量が少なめで済み、そのぶん軽くなります。
数字を見るときは、充填量とダウン率、dpをいつも組み合わせて読むのが近道です。
合掛けと肌掛けをスナップでつなぎ、季節で組み合わせを変えられる「2枚合わせ」の羽毛布団もあります。
寝室と体質に合わせた選び方の例
言葉の意味が分かったら、次は自分の寝室に当てはめます。
寝室の寒さ、暑がりか寒がりか、何人で寝るかの3つで、選ぶ1枚はかなり変わります。
暖房を切って寝る、冷え込む寝室
朝方に室温が下がる寝室なら、ダウン率90%前後・400dp以上で、立体キルトか二層キルトの本掛けが候補です。
1枚で足りないと感じて毛布を足すなら、体に近い側、つまり羽毛布団の下に入れるのが基本です。
厚くて重い毛布を羽毛布団の上に重ねると、重みで羽毛がつぶれてふくらみが減り、保温がかえって落ちることがあります。
毛布の素材によっては上に掛ける使い方を勧めている場合もあるので、位置は毛布や羽毛布団の取扱説明書、メーカーの案内に合わせてください。
暖房をつけたまま寝る、暖かい寝室
暖かい部屋で本掛けを使うと、暑くて夜中に布団をはいでしまい、明け方に冷えることがあります。
合掛けに毛布を足して調節する使い方や、2枚合わせの羽毛布団のほうが、部屋の温度に合わせやすくなります。
暑がりで、寝汗をかきやすい
暑がりの人は、充填量を少なめにした合掛けから考えます。
側生地は、湿気を逃がしやすい綿のものを選ぶと、こもった感じが出にくくなります。
2人で寝る
ダブルサイズを1枚で使う方法と、シングルを2枚並べる方法があります。
暑がりと寒がりが一緒に寝るなら、シングル2枚にして、それぞれが自分に合う厚さを選ぶと、取り合いも減ります。
洗えるかどうかは製品ごとの表示で違うので、家で洗いたい人は品質表示の洗濯の欄も見ておきます。
買い替えか、打ち直しか
羽毛布団の打ち直しは「リフォーム」とも呼ばれ、中の羽毛を取り出して洗い、足りない分の羽毛を足して、新しい側生地に詰め直すことです。

どちらが得かは、今の羽毛の状態と、打ち直しにかけられる時間で変わります。
- 何年使ったら考えればよいですか?
-
年数だけで決めるより、状態で見るほうが確実です。
干したあともふくらみが戻らない、羽毛が片寄って薄い場所がある、側生地が破れて羽毛が出てくる、といった様子があれば見直しどきです。
- どんな羽毛布団でも打ち直せますか?
-
受け付ける羽毛の条件は店によって違い、ダウン率に下限を設けている店や、羽根布団を受け付けない店もあります。
もともとのダウン率やdpが低い羽毛は、洗って詰め直しても大きくはふくらみが戻らないことがあるため、申し込む前に今の布団のダウン率を店に伝えておくと話が早く進みます。
- 出してから戻ってくるまで、どれくらいかかりますか?
-
工場での作業があるため、すぐには戻りません。
かかる日数は店や時期によってかなり違い、冬の前は申し込みが重なって長くなりがちです。
使わない春から秋のうちに出すか、戻るまでの間に使う掛け布団を用意しておくと困りません。
- 費用は何で変わりますか?
-
足す羽毛の量と質、新しい側生地の種類、洗いや仕上げの段階で変わります。
サイズや厚さを変える注文ができる店もあり、その場合も費用が変わります。
打ち直しを考えやすいのは、次のような場合です。
元の羽毛の質が良い(ダウン率が高い、ラベルがある)
羽毛はまだふくらむが、側生地が傷んできた
厚さやサイズを今の暮らしに合わせて変えたい
春から秋の間、手元になくても困らない
いくつか当てはまるなら、打ち直しが合いやすいです。
しももとクリーニング(布団の丸洗い・羽毛布団の打ち直し)
宅配キットに布団を詰めて送る、布団の丸洗いの専門店です。ほかの人の布団と一緒に洗わない個別洗いで、羽毛や木綿の掛け布団・敷き布団に対応しています。洗ってもふくらみが戻らない羽毛布団向けに、側生地を替える打ち直しのコースもあります。
※料金・コースの内容は公式サイトでご確認ください。
反対に、次のような場合は事情が変わります。
羽根布団や、ダウン率の低い羽毛布団
洗っても取れないにおいがある
羽毛が細かく折れて、粉のように出てくる
この冬のうちにすぐ使いたい
こちらに当てはまるなら、新しく買い替えるほうが向いています。
今の布団のラベルから、次の1枚の数字を決める
買い替えでも打ち直しでも、手がかりになるのは今使っている布団の表示です。
品質表示のラベルは布団の角などに縫いつけられていて、次の欄が載っています。
- 側地:側生地の素材と割合(「綿100%」など)
- 詰め物:ダウンとフェザーの割合(「ダウン90% フェザー10%」など)。表示とのずれはプラスマイナス5%まで認められています
- 表示者:表示に責任を持つ会社の名前と連絡先
dpと充填量は、このラベルに必ず載る項目ではありません。
新しく買う側の数字は、商品ページの仕様欄か、ゴールドラベルなどの品質ラベルで見ることになります。
今の布団の表示を見ながら、次の順で数字を決めていきます。
- 今の布団のラベルを写真に撮り、ダウン率と側地の素材を書き出す(dpや重さの表示があれば、それも)
- 今の不満を1つ選ぶ(寒い、重い、蒸れる、薄い場所がある)
- 寒いならダウン率とdpを上げ、重いならdpを上げて充填量を下げ、蒸れるなら側地を綿にするか合掛けに替える
- サイズを決め、上の表の充填量の幅に入っているかを商品ページで見る
- 打ち直しを考えるなら、ラベルの写真を持って店に条件と日数を聞く
不満と数字を1対1で結びつけておくと、次の1枚で同じ寒さや重さをくり返さずに済みます。



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