足元からじわじわ冷えてくる夜、布団に入っても背中の下のシーツがいつまでも冷たいままです。
電気毛布を足そうと決めても、「掛け」「敷き」「掛け敷き兼用」のどれにするかで手が止まります。
見た目はどれも同じような毛布ですが、温まる場所も、寝ているときの使い勝手もかなり違います。
寝ている間に使えるか、温度をどこまで上げてよいかは、同じ電気毛布でも製品ごとに違い、手元の取扱説明書と本体の表示に書かれた範囲が、その毛布を使える範囲になります。
背中や足元を下から温めたいなら「敷き」、肩や上半身を上からくるみたいなら「掛け」か「兼用」が合います。
布団に入る前に温めておくだけの使い方なら、どちらを選んでも大きな差は出ません。
電気代を大きく左右するのは、毛布の種類よりも、つけておく時間の長さです。
掛けと敷きは、温める向きが違う
敷き毛布は、体の下から温める
敷き毛布は、敷布団やマットレスの上に広げ、その上にシーツをかけて使います。

体の下から熱が伝わるので、背中や腰、足元が冷たくて寝つけない人に向いています。
大きさは140×80cm前後のものが多く、敷布団の幅いっぱいではなく、体が当たる範囲を覆うつくりです。
掛け布団は今のものをそのまま使えるので、今の寝具の組み合わせを変えずに足せるのも敷きの良いところです。
ダブルの布団を2人で使っている場合は、自分の側だけに敷けば、暑がりの家族を温めすぎずに済みます。
敷き毛布と体の間に厚手の敷きパッドやムートンを重ねると、熱が体に届くまでに時間がかかり、温まりにくく感じることがあります。
敷き毛布の上は薄手のシーツ1枚にすると、低い温度でも温かさを感じやすくなります。
重ねる順番は、取扱説明書の図に合わせてください。
掛け毛布は、体の上からくるむ
掛け毛布は、体と掛け布団の間に掛けて使うのが一般的な使い方です。

大きさは188×130cm前後のものが多く、肩まで覆えるので、上半身や肩口が寒い人に合います。
「兼用」は、掛けとしても敷きとしても使えるように作られたものです。
冬の途中で使い方を変えたい人や、ソファでひざ掛けとしても使いたい人には、兼用の大きさが便利です。
違いを並べて比べる
| くらべる点 | 敷き | 掛け・兼用 |
|---|---|---|
| 温める向き | 体の下から | 体の上から |
| 合う冷え方 | 背中・足元 | 肩・上半身 |
| 大きさの例 | 140×80cm前後 | 188×130cm前後 |
| 重ねる位置 | シーツの下 | 掛け布団の下 |
| 寝返り | ずれにくい | ずれやすい |
寝返りが多い人は、体の上の毛布がずれて肩が出やすくなります。
朝起きたときに、掛け布団が片側にずり落ちていたり、毛布が足元で丸まっていたりするなら、寝返りが多いほうです。
寝相に自信がない人は、体の下に固定される敷きのほうが落ち着いて使えます。
反対に、朝まで布団がほとんど乱れていない人や、敷布団の上に何かを敷くと寝心地が変わるのが気になる人は、掛けを選ぶと今の寝心地のまま使えます。
つけっぱなしにするか、温めておくだけか
選ぶ前に決めておきたいのが、寝ている間もつけるのか、布団に入る前に温めておくだけなのかです。
この使い方の違いで、見るべき機能が変わります。
温めておくだけなら、機能はシンプルでよい
布団に入る30分ほど前にスイッチを入れ、入ったら切るか、いちばん弱くするという使い方です。
冷たいシーツに触れる最初の数分がなくなるので、寝入りの寒さをなくしたい人は、この使い方で足りることが多いです。
この使い方なら、温度の段階が少ないシンプルな製品でも困りません。
寝ている間も使いたいなら、タイマーと自動調節を見る
明け方に寒くて目が覚める人は、寝ている間も弱く使いたくなります。
その場合は、就寝中の使用を製品が認めているかを取扱説明書で見たうえで、切タイマーや室温に合わせた自動調節がある製品から選ぶと、温めすぎを避けやすくなります。

一晩中強い温度のまま使い続けると、寝汗をかいてかえって寝苦しくなったり、低温やけどの危険が上がったりします。
寝ている間に暑くて目が覚めるようなら、温度を一段下げるか、寝る前に切る使い方に戻すのが目安です。
暮らし方ごとの選び方の例
ワンルームでベッドに1人で寝ているなら、敷き1枚から始めるのが手軽です。
シーツの下に入れたまま片付ける必要がなく、毎晩スイッチを入れるだけで使えます。
ダブルの布団を2人で使っていて、自分だけ寒いなら、自分の側に敷きを1枚入れるのが合います。
2人とも温めたいなら、左右で別々に温度を変えられるダブルサイズの製品もあります。
床に敷布団を敷いて寝ていて、背中が冷えるなら、まず敷きが候補です。
床からの冷えは掛けでは防ぎにくく、体の下に熱源があるほうが温かさを感じやすくなります。
寝室では足元、日中はリビングでひざ掛けにも使いたいなら、兼用を選ぶと1枚で済みます。
足先だけが冷えて、背中や肩は平気という場合は、電気を使わない湯たんぽのほうが合うこともあります。
湯たんぽの使い方は「湯たんぽは就寝前・就寝中・朝でどう使うか、足元が冷える夜の使い方と種類の選び方」で、時間の流れに沿って整理しています。
電気代は、式に当てはめて見積もる
電気毛布の電気代は、次の式で見積もれます。
たとえば消費電力50Wの毛布を8時間使うと、50÷1000×8で0.4kWhになります。
これに、検針票や電力会社のマイページに載っている1kWhあたりの単価をかけると、1晩分の電気代が出ます。
家電のカタログや商品ページの電気代は、業界団体が決めた目安単価(1kWhあたり31円)で計算されていることが多く、自分の契約の単価とは少しずれます。
表示の消費電力は「いちばん強いとき」の値
本体や仕様に書かれた消費電力は、最も強い温度で温め続けたときの値です。
実際には、設定した温度に近づくと通電が止まったり弱まったりするので、「中」や「弱」で使うと、式で出した量より少なくなることが多いです。
商品ページに「中で8時間使った場合」のような目安が載っている製品なら、その数字で比べると実際の使い方に近くなります。
掛けや兼用は面積が大きいぶん、敷きより消費電力が大きめに表示されていることが多いです。
掛けと敷きで迷っているなら、同じ時間使った場合の電気代の目安を並べてみると、差がはっきりします。
ひと冬分に直してみる
1晩分の電気代に使う日数をかけると、冬の間にかかる分の見当がつきます。
12月から2月まで毎晩使うなら、およそ90日です。
ここでは試算の例示として、消費電力50Wの毛布を、目安単価の1kWhあたり31円で計算してみます。
| 使い方の例 | 1晩の電力量 | 1晩 | 90日 |
|---|---|---|---|
| 強で8時間 | 0.4kWh | 約12.4円 | 約1,116円 |
| 強で4時間 | 0.2kWh | 約6.2円 | 約558円 |
| 寝る前30分 | 0.025kWh | 約0.8円 | 約70円 |
どの行も、表示の消費電力のまま温め続けた場合の、上限に近い数字です。
検針票の単価に置き換えるときは、31円のところを差し替えます。
たとえば単価が36円なら、強で8時間の90日分は0.4×36×90で約1,296円になります。
一晩中つけるか、寝る前の30分だけにするかで、ひと冬の電気代は10倍以上変わります。
電気代を抑えたいなら、機能を足すより先に、寝る前に温めて、寝入ったら切る使い方で足りるかを考えるほうが効きます。
使うときに守りたいこと
低温やけどは、熱いと感じない程度の温度でも起こります。
44℃前後なら3〜4時間、46℃前後なら30分〜1時間ほど同じ場所が温められ続けると起こるとされ、赤みや痛みに気づいたときには皮膚の奥まで傷んでいることがあります。
電気毛布は寝ている間ずっと同じ面が体に当たるので、強のまま朝まで過ごす使い方は避け、寝入ったら弱にするか切ってください。

使うときは、次の点を守ります。
- 折りたたんだり、丸めたりしたまま使わない(熱がこもる場所ができます)
- 使い捨てカイロや湯たんぽと同じ場所に重ねて使わない
- コントローラーの置き場所は、取扱説明書の指示どおりにする(布団の中に入れたままにしないよう書かれている製品もあります)
- コードを家具の脚で踏んだり、ベッドのすき間にはさんだりしない
- コードの傷みや、焦げたようなにおいに気づいたら使うのをやめる
乳幼児、高齢の方、体が不自由な方、皮膚の感覚が鈍くなっている方、お酒を飲んだあとの方は、熱さに気づきにくく、自分で温度を下げにくいことがあります。
こうした人が使う場合は、取扱説明書で使ってよい範囲を確かめ、家族が温度と使い方を見守ってください。
商品ページで見ておきたい表示
同じ「敷き」や「掛け」でも、製品によって細かなつくりが違います。
候補を比べるときは、次の表示を見ておくと選びやすくなります。
- 消費電力と電気代の目安:式に当てはめる数字と、メーカーが出した目安の両方を見ます
- 温度調節の段階と切タイマー:寝ている間も使うなら、弱めの段階とタイマーがあるか
- 室温センサー:部屋の温度に合わせて出力を変える機能で、明け方の冷え込みに合わせやすくなります
- 足元を強めに温める配線:足元側の電熱線を多くしたつくりで、足先の冷えが気になる人向けです
- コードの長さとコントローラーの位置:寝室のコンセントまで届くか、コードが枕元と足元のどちらから出るか
- 丸洗いできるか:コントローラーを外して洗えるものと、洗えないものがあります
数字の欄は比べやすい一方で、コードの出る向きは仕様欄の図を見ないと分かりにくく、買ってから困りやすいところです。
コンセントの位置とコードの長さを合わせる
寝室のコンセントが、ベッドの枕元にあるか、足元側にあるかを見ておきます。
敷きは足元側からコードが出る製品が多く、コンセントが枕元にしかない寝室では、コードがベッドの横を長く回ることになります。
コードが通り道を横切る置き方や、延長コードをベッドの下にくぐらせる置き方は、足を引っかけたり、家具の脚で踏んだりするもとになります。
延長コードを使うなら、電気ストーブなど消費電力の大きい暖房器具と同じ延長コードにまとめないようにします。
コンセントからベッドの端までの距離を測っておき、商品ページのコードの長さと比べると、延長コードが要るかどうかがすぐ分かります。
ベッドの向きを少し変えるだけで、コードを短く回せることもあります。


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